人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『オチ・46』



「村長は、確かに『曽根』と書き残しました。
 しかし、これは特定の曽根を示したものではなかった。
 背後から襲われた村長には、犯人が誰なのか、
 わからなかったのです」

「では、ダイイングメッセージの意味は?」

「この村には曽根しかいない。だから、とりあえず、
 曽根某が犯人であることは間違いない。村長が
 残したダイイングメッセージの意味は、それがまず1つ」

「もう1つあるのか?」

「あります。そっちのほうが重要です。ダイイングメッセージを
 残せば、必ずや名探偵がやってくる。名探偵とは、そういう
 謎解きが三度の飯より好きな人種ですからね。で、名探偵が
 来れば、必ずや真犯人を暴いてくれるだろう、と。村長は、
 そういう目論みで、ダイイングメッセージを残したのです。
 そして、思惑どおり、私・名探偵Xがやってきた」

「なるほど。名探偵を呼び寄せるためのメッセージだったのか」

「そういうことです」

「で、名探偵X。犯人は誰なんだ?」

「あいつです」

名探偵Xは、1人の男を指さした。

「おお、あいつか!」

終わり。

……いや、これもまたダミーの真相だ。
本当の真相は……。

バトンは第3走者に渡った。
by lifeblood | 2005-11-09 19:50
<< 最終話『風俗王の遺言』 乱調清香島事件・真相編 >>