「村長は、確かに『曽根』と書き残しました。 しかし、これは特定の曽根を示したものではなかった。 背後から襲われた村長には、犯人が誰なのか、 わからなかったのです」 「では、ダイイングメッセージの意味は?」 「この村には曽根しかいない。だから、とりあえず、 曽根某が犯人であることは間違いない。村長が 残したダイイングメッセージの意味は、それがまず1つ」 「もう1つあるのか?」 「あります。そっちのほうが重要です。ダイイングメッセージを 残せば、必ずや名探偵がやってくる。名探偵とは、そういう 謎解きが三度の飯より好きな人種ですからね。で、名探偵が 来れば、必ずや真犯人を暴いてくれるだろう、と。村長は、 そういう目論みで、ダイイングメッセージを残したのです。 そして、思惑どおり、私・名探偵Xがやってきた」 「なるほど。名探偵を呼び寄せるためのメッセージだったのか」 「そういうことです」 「で、名探偵X。犯人は誰なんだ?」 「あいつです」 名探偵Xは、1人の男を指さした。 「おお、あいつか!」 終わり。 ……いや、これもまたダミーの真相だ。 本当の真相は……。 バトンは第3走者に渡った。
by lifeblood
| 2005-11-09 19:50
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